今回の Jagd und Hund 2019 ですが、光学製品に限ったところでは、革新的な新製品は見られなかったという印象です。
ナイトビジョン、サーモグラフィースコープは相変わらずですが、こちらについては IWA で新製品が発表されるのではないでしょうか。
左の写真はスワロフスキーのブランドマーケティング用の特別仕様の双眼鏡です。贅沢なレザーと併せ、構成部品にチタンが贅沢に用いられています。購入希望者には販売をしてくれるとのお話でしたが、トップクラスのスワロフスキー価格です。
こちらはスワロフスキーから昨年末に発表された ATX - Interior 25-60x85 です。こちらは、‟室内専用”という位置付けのスポッティングスコープです。
恐らくは、アウトドアという使用環境ではなく、ライフスタイルを楽しみたい都会の裕福層へ向けられた製品なのかもしれません。野暮なので、アテンドの方にお値段は伺いませんでしたが、そういうお値段です。
ナイトビジョン、サーモグラフィースコープの人気は相変わらずです。少し前から、ドイツでは狩猟におけるサイレンサーの使用が認められるようになり、豚コレラ駆除対策として、いよいよナイトビジョン等のライフルスコープと併用した使用も規制緩和により許可になるのではないかと言われています。
こちらの写真はナイトビジョンと、ライフルスコープへの接続アダプターです。スコープの対物レンズ側へ装着して使用することが可能です。
お馴染み、日本の光学機器メーカーのビクセンです。
特に新しいライフルスコープの確認は出来ませんでしたが、日本国内のイメージとは全く異なる製品ラインナップとブース構成でした。
ドイツでは、日本とは異なり、30mm径のライフルスコープが主流です。オールラウンドで使用が可能なスコープとして、低倍率(1.5x - 2.5x)から中倍率(7x - 9x)の40mm、或いは42mmの人気があります。最近は、このクラスの仕様のハイスペック化が進んでおり、有名ブランド以外でも、12倍、16倍を見かけるようになってきました。
ウィンチェスターのブランドロゴが変わった?
ジョン・ウェインを連想させる伝統的なウィンチェスターではなく、初見では、一体どこのブランドなのか?会場内のドイツ人ですら ‟モトローラ?” と間違ってしまう程のイメージチェンジを試みたロゴマークです。
個人的には嫌いではないですが、古くからのファンにとっては少し複雑なのかもしれません。ブースには、光学製品の展示は少なく、1-4x24 SFPが新製品として展示されていました。このクラスの競争は、8倍比、10倍比というトレンドですが、2019年にあえて4倍比の理由は不明ですが、使用用途を絞り込んだ商品なのかもしれません。
独ミノックス社です。独ブレーザーのグループ企業です。親会社のブレーザーが高級ラインナップの光学機器を数年前から自社製品ポートフォリオへ準備をしたことで、中級以下のライフルスコープはミノックス社が取り組んでいる市場カテゴリになります。
日本に限らず、ドイツでも、その製品の‟原産国”というものは、消費者にとって重要な購入ファクターの一つです。
例えば、左写真の原産国は‟Made in Germany”ですが、下のライフルスコープは‟Assembled in Germany”となっています。
‟Assembled in Germany”とは、純度100%のドイツ製品ではないものの、ドイツ以外で準備された構成部品(レンズを含む)の最終組み立て工程をドイツ国内で行ったという意味です。
原産国表示(財務省関税局HP参照)については、各国その定義は様々かもしれませんが、日本の場合、日本製を謳うには、完成品の構成部品及び国内における加工工程の割合が定められた規定に達している必要があります。
この"Assembled in Germany”とは、‟Designed in 国名” または ‟Engineered in 国名” などと同様に、もしかすると消費者に誤解を与えてしまう表現ですが、‟国産”に安心感を感じる消費者にとっては、身近なブランドとお手頃価格と相まって、購入を後押しする要素です。