IWA 2019 へ行ってまいりました。ナイトビジョン、サーモグラフィースコープで有名なリトアニアのパルサー社からサーモグラフィーライフルスコープが発表されました。
こうした オプトエレクトロニクス(光学製品とエレクトロニクスを結び付けた応用技術或いは工学)製品は、ライフルスコープへ新たな付加価値を載せ狩猟市場における存在感を強めていくことになりそうです。
触った感触は、強化樹脂製の部分が多く、耐久性に不安を感じる点もありますが、誰よりもいち早くこうした製品を市場投入することで、競争優位なポジションが得られます。今後の動きに注目です。
今年は新しいデザインに模様替えしたニコンのブースです。2017年に大幅な人員整理を実行したのはニコン本体のお話ですが、今年の新ブースは簡素というか、コストを掛けずに準備されているようでした。そうは言っても、ニコンが確保しているブース床面積は相当な広さですので、勿論お金はかかっています。
増えすぎた感が多少あったライフルスコープの製品ポートフォリオはここへきて整理された印象を受けました。新製品を含め、全ての製品が平面的に展示されていたため、空間が生かされておらず、単調なブースデザインとなっていました。一方で、手振れ防止機能付きのレンジファインダーは好調の様で、アテンドの方もサムスアップな感じでした。
ベルギー、FNハーシュテル傘下のブローニング及びウィンチェスターのブースです。独ブレイザーグループほどの派手さと豪華さはありませんが、堅実な印象です。
最近では、KITEブランドの光学製品展示エリアをブースへ併設し、双眼鏡に加え、ライフルスコープの展示も確認が出来ました。
下のライフルスコープは、セラコートの様な耐久コーティングが美しく施されたデモ機です。ここら辺のセンスは、写真はありませんが、ウィンデージキャップへの繊細な彫金を含め、個人的には大好きです。黒い個体は1-4x24(第2焦点)の新製品です。
独ブレイザー社の双眼鏡です。ドイツでは圧倒的な支持を得ている8x56タイプに始まり、8x32まで準備されています。2017年に発表された当時、焦げ茶色の双眼鏡は業界内では大変珍しく、‟ハンターの双眼鏡は黒色”といった認識が一般的であったドイツ市場において、カーレス(スワロフスキー子会社)がそれに続き、スワロフスキーも昨年末に焦げ茶色のスポッティングスコープを準備するなど、‟焦げ茶色”がジワリと高級なイメージとして独ハンターへ浸透してきている様子が伺えます。
実用性が好まれる米国の狩猟事情とは異なり、ドイツではライフル銃にウッドストックが好まれるなど、この辺でも文化の違いで好みも様々なのかもしれません。ミノックスのブースは派手さはなく、展示もかなり地味でした。
スワロフスキーの Z6i 1.7-10x42 です。
こちらは第2焦点面レチクルを備えたライフルスコープです。レチクルはデュアル表示となっており、German 4がノーマルですが(中心のイルミネーションを調節可)、モード切替でドットを囲むようにサークルが現れ、ターゲットの捕捉を容易にするものです。
今回、スワロフスキーからは、ロングレンジ向けとして新たに2種類のライフルスコープが発表されました(4月発売)。
X5i 3.5-18x50、X5i 5-25x56 の2モデルです。100m先で、0.5cm単位でウィンデージ/エレベーション調整が可能です。
日本のビクセンです。
今回の展示会では、新型ライフルスコープ 1-8x28 (第1焦点面レチクル)に加え、レンジファインダー、ドットサイト、8x56タイプの新色双眼鏡が展示され、商談で忙しい様子でした。
ビクセンブースは、オーストリアのスワロフスキー真横に位置し、その斜め前にはイタリアのベレッタグループ、シュタイナーがブースを構え、業界内の欧州大物プレーヤーに囲まれながらも逞しく頑張っている日本のビクセンの姿は、ニコン同様、この先も頑張ってほしいと強く思わせるものでした。
今回のIWAは46回目の開催となり、60か国から1600を超える企業が参加しました。4日間の来場者数は4.5万人だったようです。ちなみに、2018年の来場者は4.6万人とされ、前回比1000人減という結果です。こうした結果を受け、開催当局側では最終日をConsumer Dayとする案も出ているようですが、そうなると出展者側の負担も増える為(ビジネス以外の、一般Consumerのお客様へのアテンド等)、難しい部分はあるようです。
次回のIWA 2020 OutdoorClassics は、2020年3月6日(金曜日)~9日(月曜日)迄の4日間ですので、興味のある方はぜひ!(但し、基本ビジネス向けの展示会ですので、一般の受付はハードルが高いです。)
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