ライフルスコープには設定を行う色々なツマミが付いています。ウィンデージ、エレベーションの他に、倍率が10倍程度の製品からはパララックス補正ツマミが装備されている機種があります。レチクル補正(ディオプター調整)は殆どすべてのスコープに備わり、これはレチクルがクリアに見えるように設定できる機能です。これらの機構がライフルスコープに備わっていることで、様々な距離に位置するターゲットの捕捉が容易になります。
パララックス補正機能が不必要なケースとしては、例えばドリブンハントのような比較的近距離な射撃の場合、射撃距離(70メートル前後の距離でしょうか)が100mを超えることは稀だと思いますので、例えば1-4x、1-6x、1-8xなどの機種にはこの機能は付いていないことが多いです。パララックス補正機能が備わっていないライフルスコープは、多くの場合においてパララックスは距離100mで工場出荷時に調整されています。これが意味することは、100mを超える距離ではパララックス(視差)は必ず発生するということです。したがいまして、ライフルスコープ選びは射撃用途(狩猟、精密射撃、ロングレンジなど)にマッチした物を選ぶことが大切ですので、スコープに詳しい銃砲店様に伺うと適切なアドバイスがもらえると思います。
こちらはビクセンの6-24x58MDですが、こちらのスコープにはレチクル補正とパララックス補正機能が備わっています。レチクル補正は、接眼レンズ部端(写真手前見口ゴム部分)についています。スコープを空に向け、レチクルがパキッと見えるところが正しい位置ですので、リングを回して調整をします。
たまに使い方を間違ってしまわれる方がいらっしゃるのは、このレチクル補正ツマミで対物側レンズのピント合わせを行ってしまっているパターンです。初めて光学機器に触れる場合、何となくやってしまう気持ちはわかりますが、これは間違いです。
レチクル補正が済んだあとはパララックス補正です。スコープ本体左側に備わっているのが補正機構です。印字されている数字はメートル表示です。ビクセン6-24x58の場合、30m、40m、50m、60m、75m、100m、150m、200m、500m、無限遠という風に目盛りが刻まれています。倍率を上げて距離100mの電柱を覗いてみてください。もしレチクルが電柱に対してフワフワ浮いている、或いは泳いでいるように見える状態が発生しているのはパララックス(視差)が起きているためです。これは先のブログで図解説明をさせていただきますが、レチクルとターゲット(電柱)が同一焦点面に揃っていないことが原因です。これを手動で補正できる機構(像を結んでいるターゲットの合焦点をレチクル面と合せる)がパララックス補正機構です。
もし電柱までの距離がわからない場合でも大丈夫です。
電柱がクッキリと見えるところをパララックス補正ツマミを回して探します。次に、覗きながら頭を左右に数センチ振ってみてください。もし未だレチクルがフワフワしていたらツマミを回して更に補正を追い込みます。このフワフワが消え、電柱とレチクルが同一面に見えるところが最終的に目指すセッティングポイントです。難しいことはありませんので、先ずは色々と練習をしてみるとライフルスコープがもっと楽しくなってきますので、頑張ってみてください。
ここまでお時間を戴きありがとうございました。
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