少し時間があいてしまいましたが、Vixen 6-24x58 MD10 を空気銃にマウントしてみる①の続編です。このレベラーはWheelerという米国メーカーの製品です。色は派手で、見た目も重たそうですが、見た目の割に本体の質感は軽く華奢な印象です。
それでは行ってみます。
先ずは空気銃をガンバイスに固定します。当方のマウントはワンピース型(前後2セットのマウントリングが分離していないタイプ)ですので、マウントを銃に固定したのち、先ずはマウント部分の並行(前後左右)を取り、銃に傾きが無い位置を見つけます。
それではライフルスコープをマウントしていきます。
先ずスコープの傾きを調整しつつバブルが真ん中に来るように合わせます。次に、このレベラーの位置を維持した状態でマウントリングの上部リングを仮止めします。
ネジ固定の際は、左右のネジ締めバランスが均一に取れていることを確認します。注:前提としてマウントリング内径の加工精度が既に証明され、信頼された製品であると仮定します。従いましてこの確認作業はここではスキップして話を先へ進めます。
【ご参考までに】
マウントリングの内径アライメント用のジグ(高精度真円及び芯出しが完璧な先端円錐形の円柱)を使ったりします。コンパウンドを使い、マウントリング上にジグを置き、ジグが動く程度にネジを締め、前後左右に動かしながら軽く撫でてあげるとリング内面が均一化されます。実際はマウントの固定も含めてもう少し丁寧なプロセスですが、この手順を踏んでおくと、ライフルスコープを取り付け固定した際、本体チューブが加圧された力で歪んでしまい、内部の光学系にダメージが及ぶといった最悪の結末は避けることができます。こうした作業はプロの銃砲店様が得意とする分野ですので、新規ライフルスコープ導入の際はぜひご相談してみてはいかがでしょうか。
さて脱線した話をもとへ戻します。
水準器です。空気銃本体の前後左右の水平と並行が維持された状態で、今度はバレル側にレベラーを取り付け、微動調節ダイヤル(写真黒色のツマミ)を回してバブルを真ん中に合わせます。考え方としては、このレベラーは前段階でスコープのエレベーションつまみに乗せた水準器の写し鏡といったイメージです。
仮止め状態のライフルスコープを前後させ、アイレリーフ位置を決めていきます。この作業工程において、スコープ内のレチクルが水平であることも接眼部を覗きながら確認をします。必要に応じてスコープをわずかに回し最終的な固定位置を見つけます。私が実際に経験した範囲では、極めて稀ではありますが、スコープ本体に対し内部レチクルが誤って傾いて取り付けられている個体がありましたので、この場合は水準器で水平が出ていてもレチクルは傾いたままです。
いよいよライフルスコープを空気銃へネジ固定していくわけですが、適正あるいは推奨トルクというものから大きく逸脱してしまうと、ネジが破損してしまったり、スコープ本体チューブを過剰に圧迫してしまい、内部のレンズ構成にダメージが及んでしまったり、エレベーション/ウィンデージが正しく動作しないといった不具合を生じさせてしまうこともあるため、注意が必要です。
正確なネジ締めを行うためのトルクドライバーという取り付け工具があります。トルクはインチ/パウンドで表示されています。マウントリングによっては、推奨トルク(各マウントベースとマウントリング)が製品に表示されているものもあります。
余談ですが、これちょっとボアサイターが傾いて取り付けられていましたね。失礼いたしました。Vixen 6-24x58 ライフルスコープのレチクルは傾いていませんので、ご心配なきよう。
今回もここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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