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狩猟用のレンジファインダーって何?

まだまだ暑い日が続きますね。

さて今回は狩猟用のレンジファインダーです。2020年1月の米国ShotShowを除き、狩猟関連の大型国際見本市(独IWA2020&2021、ShotShow2021)のキャンセルが続いたことによる影響もあり、ハンティング向け光学機器メーカーによる新製品発表の機会がたびたび見送られてしまってきた状況があります。レンジファインダーも同様です。

 

さっそくですが今回のBlogタイトルのお話です。

 

レンジファインダーには狩猟用とは別にゴルフ用の製品が市場に流通しています。光学製品としての基本性能は同じですが、ハンティング向けとして用いられるレンジファインダーは機能面で少し特徴的なものが近年増えています。特に上位価格カテゴリー分類されるアドバンストなレンジファインダーは狩猟用としての特長がかなり色濃く出てきます。2021年時点において、狩猟用のレーザーレンジファインダーは大きく3つに分類できると考えます。

 

ひとつ目のカテゴリーは一般的ないわゆる距離測定のみを目的とした製品です。これは距離500メートル前後くらい迄のLine of Sight測定(直線距離)のみに特化した機能を有し、日常生活防水かつ、価格も安価な製品カテゴリーです。

 

2つ目のカテゴリーはラバーアーマー外装、或いはシリコン製のアウトドアに強い外郭を纏い、かつ防水防塵処理が施され(窒素ガスやアルゴンガスが充填されています)、直線距離(Line of Sight)の測定機能に加え、角度測定機能、そのほか付加価値機能が備わっている中級クラス製品群です。ビクセンのForesta 1200はこの分野に所属する中級クラスのレンジファインダーです。

 

この普及カテゴリーの競争は熾烈で、レンズを覗いた際の色味具合、内蔵するレーザー及び距離認識ソフトウェアの出来具合もメーカーによって様々であり、この点は品質と言い換えることもできますが、ご予算と使用目的に合わせ購入前に実際手に取って見ることをおすすめします。

 

最後のカテゴリーはハイエンドです。

主にハイブランドが有するこの製品分類では、光学面の洗練度に加え、レンジファインダーの内蔵ソフトがターゲット迄の距離に加え、傾斜角度をも加味した弾道落下補正を親切に液晶画面に表示するタイプや、ユーザーが射撃に用いるカートリッジデータをアプリ入力することで弾道落下補正用のバリスティック計算ソフトと連動(他の光学ハードウェア、ライフルスコープとWifiまたはBlueTooth接続)し、狩猟環境の気温/気圧/湿度/高度などの要素を加味した弾道落下の補正データを瞬時にシューターへアドバイスするといった類の機能を有するカテゴリー製品です。

 

山岳地帯にて行われる狩猟では、例えばターゲットまでの距離300m~400m、傾斜角30度~40度といった場合、Line of Sightのみが測定可能なレンジファインダーから得られた情報に従って射撃をおこなってしまうと、着弾点に大きな誤差が出てしまい事故につながってしまう可能性が出てきます。

 

この着弾点の誤差は、撃発された弾にかかる重力による弾速への影響でPOIの位置が平地の時のそれよりも高くなってしまうことが原因です。こうした環境における実際の射撃では、前述の距離300m~400mよりも手前距離にPOIを補正しつつ射撃が行われる必要が出てくるわけですが、こうした場面でさすがに電卓で計算をすることはできません。ハイエンド向けとは、本来であれば日々の訓練が必要で、かつ煩雑になりがちなこうした環境での射撃プロセスをテクノロジーで一気に縮めてしまうものです。狩猟向けレンジファインダーと一般的なレンジファインダーとの圧倒的な違いは、こうした先端オプトエレクトロニクス製品に見られるニッチなディープスペックを標準装備している点です。

 

今回もここまでお付き合いをいただきありがとうございました。

 

InstagramSNSにて情報発信もしておりますのでよろしくお願い申し上げます。

 


【距離計を内蔵したドットサイト】

狩猟における実際のフィールドでは、標的までの距離を知っているか否かで、得られる結果に大きな違いが現れます。

 

DoRaSight(ドラサイト)は、レンジファインダー内蔵型のドットサイトです。つまり、ドットサイトの赤点を覗きながら、視点の移動で標的までの距離が判る。測定可能な最大距離は800メートル