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エアソフト。サイトラインと射線。ん?狙った的に当たらない?

先日、友人らに誘われエアソフトガンで遊ぶことが出来る屋外施設へ伺ってまいりました。遊戯銃の場合、用いられる弾(BB弾)の有効射程距離は実銃のそれより遥かに短いのですが、今回、POAとPOIについて色々と気付かせてもらえる良い機会となりました。

 

POA(Point Of Aim)とは光学機器を覗いた際のエイム位置(ドット或いはレティクル)を意味し、POI(Point Of Impact)とはバレルから発射される弾の着弾位置になるわけですが、しっかりと標的に当てるためには、POAとPOIのアライメントを取るゼロインと呼ばれる作業を済ませる必要があります。実銃のそれはもう少し精密かつ丁寧に行われるかもしれませんが、これは遊戯銃も同様です。今回、遊戯場へ持ち込んだ機材のPOAとPOIに大きなズレがあることを確認したため、現場で着弾点補正をしてみました。

 

エアソフトガンに取付けたライフルスコープは 狩猟用Vixen 1-8x25ED です。実銃用のスコープをワンピース型マウントに載せ、そのまま遊戯銃にのせていますので、光学機器の座高というかマウントポジションがかなり高いです。

 

今回使用した遊戯銃について少し説明です。

エアソフトガン Steyr Scout (過去Blog)の弾道とは異なり、このモデルから発射されるBB弾には大きなホップがかかっておらず、弾は直線的に進み、ホップせずにある地点を境に落下軌道に入るといった印象でした。前述のSteyr Scoutでは、BB弾がホップして上方向へ弾道を変える地点でゼロインをさせていたので、このホップしない弾道を見たとき、最初はあれっ?なんか変だな?という不思議な感覚でしたが、こうしたタイプもあるようです。

 

今回のケースを図にしてみました。

ライフルスコープのセンタードットにエイムを定め、引き金を引くと、BB弾はサイトラインよりも大きく下を一直線に走っていく。といった案件です。大げさに言ってしまうと、光学機器のサイトラインとボアの射線は平行、着弾点も同様に平行。な感じです。余談ですが、BB弾の面白いところは弾道を目視で確認出来るという点だと思います。

 

こちらの写真は実際にスコープを覗き込んだ際のVixen 1-8x25ED ZeroPlus II 実物レティクルと、BB弾の着弾点をイメージ化させた図です。標的までの距離は22m(*レンジファインダーにて計測)でした。

 

写真レティクル中心のRed DotがPOA(Point of Aim)で、図中の青色丸がPOI(Point of Impact)です。何度撃っても同じところにスーッとフラットな軌道で着弾しました。原因はライフルスコープの取付け位置(高さ)にあります。エアソフトガンのバレル中心からスコープの対物レンズ中心までの距離が7㎝程度離れていることに因るものです。

  

本来であれば、このあまりホップしない遊戯銃の特徴を考慮し、ピカティニーレールに対応した30㎜径用のローマウントリングでVixen 1-8x25ED をエアソフトガンに固定すればこのようなことにはならなかったはずです。取り付ける光学機器にもよりますが、狙点の誤差を出来るだけ小さくするため、ライフルスコープの場合はスコープのフード部分が干渉しない範囲で出来るだけバレルに寄せた方がベター(低い位置に取付け)とされています。

 

理屈としては、サイトラインとバレルラインが近いほど着弾点の誤差は小さくなる。ということですが、2000ヤードから先の標的を狙う超ロングレンジ射撃の場合は逆にバレルから大きく離し、高い位置にライフルスコープをマウントすることもありますので(*傾斜マウントを装着時にバレルが視野に入ることを回避する必要性があるようです)、これは極端な例ではありますが、射撃システムと目的に応じ、その限りではなさそうです。

 

しかしながら、どうしても使ってみたいマウントというのはあるかと思います。

一方で、的に当たらなくては面白くありません。そこで、光学機器のサイトラインを物理的に下方修正する方法で上図の緑丸POAを青丸POIに寄せてみました。BB弾のゼロインはそこまで複雑な作業ではありません。

 

下図は物理的にPOAとPOIのアライメントを取る前と後のBefore / After イメージ図 です。ここでは、レティクルのウィンデージ/エレベーションによる調整ではなく、光学機器を前方へ傾斜させています(*結果、スコープのセンタードットが下方向へシフトします。その状態で標的の中心を狙うと誤差は修正されているはずです)。

 

ホビー用として持っているボルトアクション式のエアソフトガンですが、出猟へ向けた練習として、ライフルスコープ内に素早く標的を捉える射撃姿勢の良い訓練になりそうです。

 

今回のBlogは少し長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いをいただきありがとうございました。

 

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