今回のBlogは異なる距離における1MOA当たりの移動量です。それは厳密には3㎝ではなく、+/29mm程度とされていますが、ハンティングにおきましては日本もドイツも一般的に1MOAは100m先で約3㎝として広く解釈されています。こちらの記事では1MOA=約3㎝として話を進めさせて戴きます。
2022年1月に長瀞射撃場の50m射撃レーンへ伺ったBlogを準備させていただきましたが、あらかじめ知っていると便利な情報として、今回は1MOA当たりの移動量について少し触れていきます。
ご参考までに、異なる距離(10m、50m、100m)における1~100までのMOA移動量を以下に纏めてみました。前述にありますが、厳密に言うと、1MOA当たりのセンチメートル換算値には端数があります。この端数が累積すると目に見える誤差になるため、下記資料をご参考にいただく際はその点をご注意願います。
今回使用したスコープは Vixen 6-24x58 です。ちなみに以下Blogに挿入されている写真は全て同一、距離50m先の標的を覗いたものです。
それではいってみます。
【1moa at 距離100m】
移動量1MOA at 100m は約3㎝です。これが100MOA at 100m になると100倍の約300㎝になります。但し、+100MOAの移動量調整を可能とするライフルスコープは極めて限定的で、恐らくハンティングにおきましては実用途として無くても不自由は無い移動量です。
距離100m地点における1~100MOAまでの移動量を以下に纏めてみました。
1MOA at 100m = 約3cm
10MOA at 100m = 約30cm
20MOA at 100m = 約60cm
30MOA at 100m = 約90cm
40MOA at 100m = 約120cm
50MOA at 100m = 約150cm
60MOA at 100m = 約180cm
70MOA at 100m = 約210cm
80MOA at 100m = 約240cm
90MOA at 100m = 約270cm
100MOA at 100m = 約300cm
【1moa at 距離50m】
距離50mでは、1MOA当たりの移動量は約1.5㎝です。10倍の10MOA at 50m では約15㎝の移動量となります。更に10倍の100MOA at 50m では約150㎝の移動量ということになりますが、Vixen 6-24x58にはその移動量補正は出来ません。スプリング式空気銃でチャレンジした長瀞射撃場の50mレーンでは、この当たりのシュミレーションデータをペレットの弾道落下補正とあわせて実際に体感として勉強することが出来ました。
続きまして、
距離50m地点における1~100までのMOA移動量です。
1MOA at 50m = 約1.5cm
10MOA at 50m = 約15cm
20MOA at 50m = 約30cm
30MOA at 50m = 約45cm
40MOA at 50m = 約60cm
50MOA at 50m = 約75cm
60MOA at 50m = 約90cm
70MOA at 50m = 約105cm
80MOA at 50m = 約120cm
90MOA at 50m = 約135cm
100MOA at 50m = 約150cm
【1moa at 距離10m】
最後になりますが、距離10m地点における1~100までのMOA移動量です。100m先では1MOA当たりの移動量は約3㎝ですが、1/10の距離10mではその移動量は1/10の約3㎜になります。故に、この距離でウィンデージ/エレベーション調整(過去Blog)を行おうとする場合は大変です。所有する光学機器のクリック当たりの移動量が1クリック1MOAではなく、1/4MOA, 1/8MOAといった場合、ダイヤルをかなり回すことになります。この距離では1クリック1MOA動かせるドットサイトの方が便利かもしれません。
最後は距離10m地点における1~100までのMOA移動量です。
1MOA at 10m = 約3mm
10MOA at 10m = 約3cm
20MOA at 10m = 約6cm
30MOA at 10m = 約9cm
40MOA at 10m = 約12cm
50MOA at 10m = 約15cm
60MOA at 10m = 約18cm
70MOA at 10m = 約21cm
80MOA at 10m = 約24cm
90MOA at 10m = 約27cm
100MOA at 10m = 約30cm
仮に100MOA移動させても30㎝程度です。この距離で30㎝もの着弾点補正が必要な場合、スコープの取付け段階で何かが大きく間違ってしまっていることが考えられます。銃砲店の専門の方に相談するか、しっかりとボアサイティング(過去Blog)を行ってから射撃場へ行きましょう。
先のBlogでは、100mから先の1MOA当たりのレチクル移動量について触れていく機会を見つけていく予定です。
今回もここまでお付き合いをいただきありがとうございました。
Instagram、SNSにて情報発信もしておりますのでよろしくお願い申し上げます。
【距離計を内蔵したドットサイト】
こんな光学機器もあります。
狩猟における実際のフィールドでは、標的までの距離を知っているか否かで、得られる結果に大きな違いが現れます。
DoRaSight(ドラサイト)は、レンジファインダー内蔵型のドットサイトです。つまり、ドットサイトの赤点を覗きながら、視点の移動で標的までの距離が判る。測定可能な最大距離は800メートル。