今回のBlogはデントラーマウントを導入する際の初期費用についてです。
何となくデントラーシステムの概要は解りつつあるものの、初めにどれくらいのコストがかかるのか全く分からない。というご相談を受けることは少なくありません。そこで、今回は先ずは簡単にデントラーマウントを使い始められるところに焦点を当ててご説明を進めてみます。
【ステップその①:リングを選ぶ】
デントラーマウントでは、多様なニーズに対応できるように幅広い種類のリングを用意していますが、その際に気に留める点は以下の3つです。
1,チューブ径
2,BH高さ
3,材質
チューブ径とは、所有しているスコープの支持具を取付ける部分の径です。1インチ、30㎜、34㎜、36㎜の何れかです。
BH高さとは、レールからチューブまでの高さです。合体した状態のレール高さ(マウントレールとベースレール)がウィーバー/ピカティニーレール式では約19㎜あります。サーマルを取付けないのであれば、どのスコープでも、3.5㎜ or 6.5mmで大丈夫ですが、Vixen 1-8x25の場合はBH6.5㎜が必要です。
材質とは、リングに用いられている金属を指しますが、鋼鉄(スチール)とアルミニウムから選べます。重量はアルミ製の方が軽量です。強度は鋼鉄製の方が優れていますが、こちらは重量がアルミよりも高いです。両方とも、表面にはさび止め加工が施されています。
デントラーマウントでは、様々な光学機器(ドットサイト、オープンサイト、インナーレール式など)に向けて専用のマウントレールを用意していますが、リング用マウントレールは1種類です。材質は鋼鉄製(スチール)です。こちらも表面にさび止め可能が施されています。リングの取付け位置については、アイレリーフを意識しつつ、お好みの穴位置でリングを固定します。その際、リング裏側に打刻点がついているので、前後リングで打刻点の向きを合わせましょう。
ということで、ここまでの費用小計です。
アルミ製では、税抜き36,000円(30㎜径)、38,800円(34㎜径)です。
鋼鉄製においては、税抜き45,000円(34㎜径)、47,800円(34㎜径)です。
【デントラーマウントのベイシスを選ぶ】
一般的なスコープマウントはここで終わりですが、デントラーマウントの場合はもう一つ用意するものがあります。
ベースレールです。ベイシスと呼ばれるタイプをご用意いただければ完了です。価格は税抜き15,660円です。
このベイシスは、70種類をこえる猟銃向けに用意されていますので、ご使用のライフル、あるいは空気銃を含め、日本国内に流通している猟銃であれば、殆ど全てに導入が可能です。
ということで、最小費用はアルミ製の30㎜径リング一式、税抜き36,000円と、上述のベイシス税抜き15,660円、
合計 51,660円(税抜き)ということになります。
Sauer 303用
Merkel RX Helix用
Blaser用
Mauser M12用
Blaser R8用
Sako 85XL用
Benelli ARGO用
Browning X-Bolt Short用
Remington 700 Short用
【柔軟性を持った射撃システム】
ここまでのコストを見ると、国産を含む、米国製などの高級価格帯スコープマウントよりも若干高めですが、デントラーマウントと彼らの圧倒的な違いは、柔軟性を持った射撃システムとして運用が出来る。という点です。
これはどういうことかと説明をすると、
例えば、3万円程度の一般的なツーピース式のスコープマウントを例にとります。いったん猟銃にスコープと一緒に取付けてしまえば、恐らく取り外すことはない、或いはゼロインが面倒なので取り外したくない。という固定されたシステム(特定の猟銃とスコープの組合せは常に固定)であるに対し、デントラーマウントの場合、
①、猟銃Aと猟銃Bの両方にスコープCを載せる。
②、スコープAとスコープBを猟銃Aに載せる。
③、猟銃Aと猟銃BにスコープA~Cを全て載せる。
という、今まで想像すらできなかった猟銃と光学機器の運用を可能にした射撃システムなのです。
もちろん、上述①~③の例はデントラーマウントを所有する猟銃すべてに導入した例であり、猟銃にベイシス、或いはこちらでは紹介していないバリオと呼ばれる2挺目に導入するベースレールの導入に追加費用は発生します。
これがドイツからやってきた、デントラーマウントです。
【最初からデントラーで行こう】
このベースレールを猟銃に導入していることのメリットは極めてシンプルです。ハンティングに掛かる様々なコストを抑えることが出来ます。
コスト1,時間
ご自身で取付けることも可能ですので、猟期前、猟期中、光学機器の付替え作業で発生するセッティングの煩雑さを解消できます。
コスト2,機会
一度導入してしまえさえすれば、自分で、そして自由にロングレンジ用、巻き狩り用、標的射撃用のスコープを用途、状況に応じて付替えが可能。しかもゼロインは維持されたままです。
コスト3,お金
たまに使う猟銃1挺にスコープ1本は買わず、常に使うライフル1挺にスコープ3本、或いは、常に使う3挺にオールラウンドスコープ1本というお金の使い方も可能。しかもゼロインは維持されたままです。