今回のブログはデントラーマウント関連なのですが、デントラーお取扱い銃砲店様のご紹介です。山形県新庄市で銃砲店を構える、株式会社小野銃砲火薬店様。明治元年創業、歴史ある地域密着型の銃砲店です。今回、小野 護 社長様から頂戴したご相談は ❝マーチを2挺の銃で使いたいお客様がいらっしゃいます。❞ というもの。それではレポートBlogいってみます。
【Marchを2挺の銃で】
ベレッタ BRX1に March-F 3-24x52 ライフルスコープを載せていただいているお客様。ウィンチェスターSXR VULCAN にもMarchのスコープを載せたいというご希望。
エアライフルもご所持ということで、ご用意させていただいた提案は下記の通り。
【お取付け提案】
1挺目:Winchester SXR VulcanにBrowning BAR用のベースレール(ベイシス)装着
2挺目:Berettaにはウィーバー/ピカティニーレール対応のベースレール(バリオ)
3挺目:エアライフルのブロコックには11㎜レール対応のベースレール(バリオ)
2023年8月時点において、デントラーマウントはベレッタ BRX1には対応していない為(*デントラー社へは該当モデルへの対応可能性について相談済)、今回はウィンチェスター SXR VULCAN対応のデントラーベースレールをご採用いただきました。
ご注意:こちらでご紹介をさせていただく記事に使用る画像データは、全て小野銃砲火薬店様に帰属します。
それではBlogレポートいってみます。
【レール取り外し】
ウィンチェスター SXR VULCAN
銃器から、標準搭載されているウィーバー/ピカティニーレールが取り外された図です。
【下準備】
ウィンチェスター SXR VULCAN
銃器からレールが丁寧に取り外され、次はデントラーマウントのベースレールを取付ける為の準備です。
【水準器】
銃器本体の水平と、前後の傾きを水準器を使って整えていきます。
【バレル】
バレル側にもクランプ式の水準器を取付け、銃本体の水平と傾きが全くないことを丁寧にご確認いただいている図です。
【デントラー装着】
ウィンチェスターSXR VULCANにデントラーマウントのベースレールが取付けられた図です。
ベースレールに取付けられている三角形のツマミ(図中央下部)は、銃口の弾射出方向に対し、必ず左側にきます。
【工業用品質】
ウィンチェスターSXR VULCANに取付けられた図です。
このベースレールは銃器側に常駐させておきます。
デントラーマウントは、ベースレール側に備わった2本の凹型溝と、マウントレールと呼ばれるスコープ側に備わった凸型溝が精密に重なり、中央部の三角ツマミを捻ることで、上下レールを連結するスチール製ピンがマウントを完全に固定する。という、ドイツ生まれの緻密な設計による工業用といっても過言ではない製品です。
【SXR VULCANへ装着】
ウィンチェスターSXR VULCANにデントラーマウントが搭載されました。
写真にある30㎜径スチール筒を、March F-3-24x52に置き換えていく作業と、写真手前にあるデントラーマウントのバリオ(2挺目専用ベースレール)をベレッタ BRX1へ取付ける前の図です。
【March F-3-24x52】
ベレッタ BRX1に取付けられているMarch F 3-24x52。
次は、このスコープをデントラーマウントのリングへ取付けていく作業です。手前に映っているのが移植先のデントラーマウント。
【美しい外観】
とても美しく取付けて戴きました。
作業途中のマスキングテープを拝見すると、お客様の銃器を大変丁寧にお取扱いされている様子が目に浮かびます。ベレッタから取り外す前に確認されていらっしゃったアイレリーフ位置の目安までしっかりとテープに記されています。
【いざベレッタ】
ベレッタBRX1へのデントラーマウント取付けは極めてシンプルです。
理想は、ウィンチェスターSXR VULCANの場合と同様に、銃器側にデントラーの専用ベースレールを取付けることですが、メーカー側でBRX1へは現状未対応の為(*対応について検討依頼済)、ウィーバー/ピカティニーレール用のベースレール(バリオ)にて取付けて戴いております。
バリオとは、2挺目用に用意されているマウントです。
マウント本体に、ウィンデージ/エレベーションに相当する機構が搭載されている、デントラーマウントの大きな特徴のひとつです。
【リングの下側】
図の説明ですが、銃器にバリオを搭載し、その上にリングの下側部分を取付けた状態のマウントレール(上下レール)が重なった図です。
【取付けジグ】
写真にある青色の何かですが、こちらはデントラーのリングをスコープへ取付ける為の専用ジグです。
デントラーのリングはアーチ型になっていることから、無理に取付けようとすると大切なスコープを傷つけてしまいます。
そこで、ドイツと狩猟とおいしい話では、専用のジグを独自にご用意しております。
【いよいよ】
最後は、一般的なライフルスコープのお取付けと同様です。
リング固定ネジを丁寧に締めあげていく図になります。
【作業の完了】
マスキングテープであらかじめ目安を付けて置いていただいたお客様のアイレリーフポイントへ、スコープが取りつきましたの図です。
これで、1本のMarch F-3-24を2挺の猟銃でご使用をいただく設定が済みました。
この後は、射撃場にて1挺目をゼロインいただき、2挺目のゼロインは、スコープ本体ではなく、デントラーマウントのバリオ本体で行って戴きます。
この作業を全て終えると、1挺目、2挺目とシューター様ご自身で、自由に付け替えが出来るようになります。
【小野銃砲火薬店様】
この度ご協力を賜りました小野銃砲火薬店様のご紹介です。
山形県新庄市で明治元年(1868年)に金具屋として創業。現在は銃砲やアウトドア用品を扱う店として、地域のお客様をはじめ、県内外の多くのお客様から愛される、歴史ある銃砲店です。銃・実包は国内外の各有名メーカー品全般を取扱っており、クレー射撃、狩猟、無線機なども幅広くサポート。また、各種銃の修理、調整にも力を入れ、プレチャージ空気銃についてはトウキョウジュウホウA級サービスステーション認定店。300m射場のある”山形県猟友会射撃センター”から自動車で15分程度。ぜひ。
【最後に】
ドイツでは、今では知らないハンターがいない程に有名なデントラーマウント。2022年春から日本輸入総代理店として取扱いを開始してきたデントラーですが、お陰様で、デントラーマウントを猟銃へ導入戴くハンター様の数は増えてきております。この先も、こちらのBlogで、デントラーお取扱い銃砲店様による取付け例をご紹介させていただく予定です。
ドイツと狩猟とおいしい話(VEMA)では、随時デントラーマウントのお取扱い銃砲店様を募集しておりますので、お気軽にお問合せ下さい。
今回もここまでお付き合いをいただき、誠にありがとうございます。
Instagram、SNSにて情報発信もしておりますのでよろしくお願い申し上げます。
【おまけ】
例えば今回のお客様の場合、光学機器を追加したい。といったご要望にも応えられるデントラーマウント。上側のマウントレールをお取扱い銃砲店様にてお買い求めいただければ大丈夫です。
エイムポイント、ドクターサイトなど、加えて互換性のあるフットプリント(取付け規格)を採用しているドットサイトであれば、デントラーの専用マウントレールを導入いただくことで、ご使用の猟銃へ追加いただくことが可能です。1挺目の銃器でゼロインを行っていただくことで、2挺目、3挺目でご使用が可能になります。