今回はBlogというよりも、お知らせになります。エラタック傾斜マウントには調節が可能なダイヤルが備わっています。ロングレンジにも対応が可能なこのドイツ製ミルスペックマウントは、現行モデルでは、エラタック0-70MOA版(ダイヤル当たり移動量10MOA)、エラタック0-20Mrad版(ダイヤル当たり移動量5Mrad)という仕様を持つ2タイプです。2023年秋、別注限定モデル、0-35MOA(*2023年10月15日更新)が新たに登場します。
【別注モデル】
今年3月、ドイツで開催されたIWA2023にて、日本向け特別仕様についての相談を、エラタック製造元のRecknagel GmbH社と行いました。元々、エラタック傾斜マウントは、超ロングレンジ(1000m、1500m、2000m超)という射撃分野への実戦におけるミリタリーニーズを満たす為に用意されており、日本では所持が許可されない類の軍用銃器との組合せが製品の主たるセットアップです。
前述の意図された射撃距離という意味では、”日本国内では用途が見つからないのでは?” と感じる方は多いと思います。
但し、射撃距離ではなく、着弾点補正(ドロップ)に置き換えてみるとどうでしょう。そうです。日本でも関心の高いテーマ。
【ドロップ補正】
特にエアライフル(空気銃)にいたっては、射撃距離が長くなるにつれ、ドロップ幅には大きな変化が現れます。
ペレットのドロップ量。空気銃を使う際のドロップ量は、装薬銃のそれとは全く比較になりません。
日本国内で流通している空気銃にとって、100m、125m、150mというのは超ロングレンジに相当します。
ここでは、その距離が有効射程か否かについては脇に置かせていただき、話を先へ進めてみます。
【問題の把握と解決方法】
狙ったポイントに着弾しない(または弾が届いていない)。
空気銃(エアライフル)ユーザー様には度々起こる場面かもしれません。この場面に遭遇した方、エラタック傾斜マウントを銃器に取り付けることで、お困りの問題は解決できます。
①スコープを大きく前傾させます。②→すると、銃口は僅か上に向きます。→③弾道が変わり、着弾点が上に移動。→⑤標的に着弾。→⑥標的内に着弾後の微補正は、スコープで修正。
【異なる距離へ迅速対応】
エラタック0-70版(7段階ステップ)の最大移動量は70MOAですが、この移動量(ダイヤル1段階ステップ当たりの着弾点補正幅)というのは、下記のような感じです。例えば、距離が半分になると、移動量もそれに比例します。
100m:約30cm (10MOA) 〜約205cm (70MOA)
125m:約36cm (10MOA) ~約236cm (70MOA)
150m:約44cm (10MOA) ~約306cm (70MOA)
銃器によっては、更に細かな補正ダイヤルも有効です。
【別注モデルの能力】
お待たせしました。
それでは、限定版の能力について触れてみます。Blogトップに参考資料を載せましたが、限定版を使った場合の3距離における移動量を抜粋してみました。
100m:約15cm (5MOA) 〜約101cm (35MOA)
125m:約18cm (5MOA) ~約127cm (35MOA)
150m:約22cm (5MOA) ~約153cm (35MOA)
こちらの限定版では、通常版の10MOA単位と比べ、より小さな移動量(5MOA単位で、7段階ステップ)で着弾点を補正することが可能です。
移動量の刻み幅を小幅にしたいというシューター様へは、最善の選択肢になりえる仕様です。
【どちらを選ぶ?】
所持しているライフル銃、或いはエアライフル、スプリング式、そして射撃距離といった判断軸で、どのエラタックが最適かご判断がいただけます。
【射撃距離と猟銃】
装薬銃の場合、
北海道を拠点とされているハンターの方々は、本州のハンター様よりも射撃距離が遠いケースが多いようです。超遠射までとはいかないまでも、スコープのエレベーションをかりかり回すより、0-35MOA版は実用的で使い易いかもしれません。
空気銃の場合、
射撃距離は勿論ですが、やはりドロップ補正量が選択の判断軸。所持されているエアライフルは、それぞれパワーが異なりますので、ご自身で有効射程外、或いはスコープで標的が見えない(捉えられない)距離を把握されているかと思います。
スコープ側エレベーション仕様の能力に対し、5MOA刻みか、10MOA刻みで一気に視野に入れるか。ユーザー様のニーズによって選択が分かれます。
【まとめ】
ということで、今回は発売間近となっておりますエラタック傾斜マウント、数量限定の別注モデル、 0-35MOA (7段階調バージョン節)のご紹介でした。
10月中旬にコチラで専用ページを公開いたしますので、スペック詳細に加え、販売価格につきましては少々お待ちいただければと存じます。
昨年のGuns and Shooting Vol.22号にてテスト記事が発表されて以来、多方面からお問合せを頂戴しているドイツ製の軍用タクティカルマウント、エラタック傾斜マウントです。今期の狩猟解禁日へ向け、皆さま是非お試しください。
2023年10月15日更新:別注版0-35MOA特設ページ
【エアライフルスクール】
11月4日(土曜日)、京都、京北総合射撃場様にて開催予定の、京北エアライフルスクールへ出展させていただく予定です。
いち早く実機が気になる方はぜひ参加エントリー(株式会社AEG様、株式会社ヒーローズインク様)をどうぞ。
【お取り扱い銃砲店様】
製品についてのお問い合わせ、又はご質問につきましては、お近くのエラタック取扱い銃砲店様へどうぞ。もちろん直接ご連絡をいただいても大丈夫です。
今回もここまでお付き合いいただきありがとうございました。
Instagram、Facebookその他のSNSにて情報発信もしておりますのでよろしくお願い申し上げます。
【距離計を内蔵したドットサイト】
こんな光学機器もあります。
狩猟における実際のフィールドでは、標的までの距離を知っているか否かで、得られる結果に大きな違いが現れます。
DoRaSight(ドラサイト)は、レンジファインダー内蔵型のドットサイトです。つまり、ドットサイトの赤点を覗きながら、視点の移動で標的までの距離が判る。測定可能な最大距離は800メートル。
【空気銃のベマ】
このたび、ドイツと狩猟とおいしい話(ベマ)では、狩猟用エアライフルの取扱いを開始いたしました。ハッサン、スプリング式も東京都練馬区のショールームにて見学いただけます。これから狩猟免許を取得予定の方、既に所持の方、お気軽にお問い合わせください。